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    Q30 お薬は大丈夫ですか?痛み止め

    2019年1月23日
    By sakaemachi-staff
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    皆さんおはようございます。

     

    札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニックです。

     

    年が明けて早くも3週間が経過しました。今週から新学期という学校も多いですね。

     

    今年はインフルエンザの流行が例年より早めです。またワクチン接種されている方もインフルエンザに罹患していることも少なくありません。ワクチンに含まれていないインフルエンザ株が流行している可能性もありますので,手洗い・うがいと予防に努めましょう。

     

    さて,前回に引き続いてお薬に関する質問。

     

    Q「痛み止め,市販のものなら大丈夫ですよね?」

    Q「湿布をつかっています」

     

    いずれもNSAIDといわれる痛み止めに関するものです。

     

    今時期は雪かきで筋肉痛,痛み止めの服用や湿布を常用されている方も少なくないと思います。

     

    痛み止めには大きく分けて3種類。痛みをブロックするにはCOXを阻害するのですが,一般的なお薬には3つあります。すべてをブロックしてしまうもの,COXのなかでも胃の粘膜修復にたずさわるCOX1を阻害せず,COX2だけを阻害するもの,そしてCOX3だけを阻害するものです。

     

    すべてを阻害するものはイブプロフェンやロキソニンなど市販薬にも多く認められます。そして湿布もイブプロフェンが含まれているものが多く,胃潰瘍や大腸の潰瘍びらん,炎症を起こす可能性があります。

     

    湿布も皮下から吸収されて血液中に流れることがわかっているので,張りすぎや長期の湿布は注意が必要です。

     

    そして座薬は最も潰瘍ができやすいので,胃に入らないから大丈夫ということでは決してありません。

     

    とあるデータでは長期間痛み止めを服用しているとおよそ2/3以上のかたに胃の異常がみつかり,潰瘍も1/5認められます。

     

    胃の痛みがないから大丈夫・・とはいかずそもそも痛み止めを服用しているので,トラブルがあった場合は吐血や黒色便といった消化管出血で発見されることが半数以上ですので,注意が必要です。

     

    対策としてはなるべく使用をさけることが一番ですが,日常生活に影響がでる場合や潰瘍のできやすい方(高齢者や多剤服用,糖尿病,腎障害など)では予防投与が推奨されています。

     

    以前は粘膜保護剤が使用されていましたが,粘膜保護剤では約60%の予防ですので,1/3ぐらいの人はびらんが潰瘍が形成されてしまいます。

     

    ガイドラインでも出血の危険がある場合,潰瘍予防としては唯一PPI(プロトンポンプ阻害薬)だけが推奨されています。

     

    短期間であれば自分の治癒力で戻ることもあるので必要のないことが多いですが,潰瘍の既往のある方や抗血栓薬(バイアスピリン,チクロピジン,クロピトグエルなど)服用されている方は,PPIが推奨されます。

     

    また危険が高い,薬を減らしたい場合COX2だけをおさえるセレコキシブやCOX3を抑えるアセトアミノフェンを用います。

     

    市販薬にもアセトアミノフェンを用いたものが流通してきていますので,ご心配な方は成分を参考にされるとよいと思います。

     

    面倒だ,という方,基礎疾患をお持ちの方はご相談にいらしてください。

     

    出血すると結構つらいし,大変です。今はがんをふくめ予防医療が重要となっています。

    今年一発目の今月の一枚です。オーロラきれいです。

    作成は大変でした・・・・。

     

     

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