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    院長の独り言44(ヘリコ)

    2017年7月11日
    By sakaemachi-staff
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    おはようございます!!

    札幌市東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。

     

    北海道のみなさん,眠れてますか?

    最近の札幌の夜は,むしむしして寝苦しい日が続いています。

    意外と寝ているときの熱中症も多いので気をつけてくださいね。

     

    栄町消化器・内視鏡内科クリニックは4月10日に開院したので昨日でちょうど3か月を無事迎えることができました。

    関係者各位には心より御礼を申し上げます。

     

     

    さて,今日は先週,先々週にひきつづきヘリコバクター・ピロリのお話。

    除菌についてです。

    ヘリコバクター・ピロリ菌と大腸菌,肺炎球菌などと同じく細菌です。

    20世紀最終から21世紀にかけていろいろ治療方法が模索され,現在は確立してきました。

     

    それもPcab(ボノプラザン,カリウムイオン競合型アシドブロッカー)の登場でかわりました。

     

    ヘリコバクター・ピロリに有効とされているのは,まず2種類の抗生物質(クラリスロマイシンとアモキシシリン)です。ピロリ菌は胃酸に強いのですが,増殖するのはpH>5の時であり,ここに抗生剤が入らないと効果不十分となってしまう可能性があります。従来のPPI(プロトンポンプインヒビター)ではpH>4でしたが,PcabはpH>5を維持することができます。一次除菌では2種類の抗生物質と胃酸を抑える薬(PcabまたはPPI)を1週間服用します。

     

    従来のPPIでも一次除菌成功率は75-80%でしたが,Pcabを使用することで90%に上昇しました。

     

    一方で副作用もそれなりにあり,

    1.下痢,軟便 (10-30%)

    2・味覚障害 (5-15%)

    3.肝機能障害

    4.発疹 (5%)

    などですが,抗生剤で腸内細菌もかわるため下痢,軟便時に便秘はみられます。しかし症状がでても数回で終わることが多く,ほとんどの方で1週間しっかりのみきることができます。

    味覚障害は頻度は下痢ほど多くはありませんが,知らないと料理を作ってくれた人がまずい,外食でクレームをつけてしまう危険があるので注意です。特ににがいと感じることが多いようです。

    肝機能障害はそれほど多くはありませんが,もともと胃酸を抑える薬が肝臓で代謝されるため,もともと肝臓が悪かったりすると頻度は非常に低いですが,劇症化といって重篤になる可能性があります。

    また発疹は頻度は5%以下ですが,出現すると入院する可能性もあります。

    アレルギーや時に重篤な発疹(Stevens-Johnson症候群)となることがあるので確認していただきたいと思います。

    特に目や口の中に出現した場合は要注意です!!。

     

    1回目の除菌がうまくいかなかった場合は,二次除菌に移行します。昨今は抗生物質の濫用により実はピロリ菌の中には抗生物質であるクラリスロマイシンが効かない菌が増えてきています。せっかく除菌の薬を服用したのに,消えていない場合放置したのではなんのために治療をしたのかわからないので,治療後は尿素呼気検査で治療がうまくいったか,うまくいかなかったか検査を受けていただきたいです。

    うまくいかなくても抗生剤を変更することで,今時点では98-100%の除菌成功率なので安心してください。

     

    最後に除菌に成功してもピロリ胃炎は残ります。ここからの発癌が昨今増加してきていますので,1年に1度は内視鏡検査を受けていただきたいと思います。

     

    9月に院内でヘリコに関する勉強会を開催予定です。

    9月からは土曜日に移行する予定ですので,ご興味のある方はお待ちしております。

     

    追:琉球寿司弁当復活しました!!

     

     

     

     

     

     

     

     

     

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