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    院長の独り言18(17-2)

    2017年5月18日
    By sakaemachi-staff
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    おはようございます。札幌市東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 再び院長の佐藤 龍です。

    今日のタイトルは二つ,院長の独り言18ですが,前回院長の独り言17は途中で断念してしまったので続きということで17-2とさせていただきます。院長の勝手です。

    さて,前回は便秘と下痢のお話から便秘についてつぶやいてました。

    今回は便秘の治療について・・・

    1便がない 治療はお話しましたが,付け加えると腸内細菌叢(腸のなかにある細菌のすみ分け)は人それぞれです。したがって同じ細菌が入っても下痢症状がでるひとと出ない人がいるのは当然です。例えばガンジス河の水をインドの方がのんでも下痢はしませんが,日本人が飲むと下痢することが多いですよね。

    便のもとを造るのは食事と腸内細菌によって分解された産物なので腸内細菌叢を整えることも大事になってきますので整腸剤を服用します。整腸剤にもいろいろ種類があって,お薬が合う人合わない人がでてきますし,その人その人によって合った腸内細菌をいれてあげることも大事です。

     

    2便がたまっている

    多くがこの便がたまっているですが,治療は下剤の服用になります。一言に下剤といってもいろいろあり,便秘の種類によって使い分けています。

    まず最初に用いるのは整腸剤や緩下剤です。これはお腹を刺激して動かすわけではないので腹痛は少ないですが,おなかの動きが悪いタイプの便秘の方にはすっきりしないと感じるかもしれません。つまり便を緩くして出しやすくするタイプになりますが,虚血性腸炎や大腸憩室の方,大腸検査の前によく使用します。多くがマグネシウム製剤(今コマーシャルでもやってますね)ですが,問題点としては腎機能障害があると使いにくかったり,腎障害が出現する可能性がありますので,定期的な血液検査をお勧めします。

    腎機能が心配,透析など腎機能が悪い方には小腸から水分をひっぱってくる下剤も出てきていますが,マグネシウム製剤と比べるとお値段があがります。

    そしておなかの動きが悪い,緩下剤でもすっきり出ない場合は刺激性の下剤を用います。刺激性の下剤の問題点としてだんだん効果が薄れていくことがあるのといろいろ種類がありますが,効果に個人差があります。市販の下剤の方が合うという方はそれでいいと思います。

    最後におしりまで便が来ているけどでない,という場合は直腸性の便秘になりますが,坐剤や浣腸が用いられます。

    直腸に便がたまりすぎると(特に寝たきりの方,あまり普段動かれない方に多いです)直腸に圧がかかって潰瘍ができたり,たまりすぎたところに安易に強い浣腸をすると腸が破れることもあるので,あまりためすぎないようにしてください。

     

    当然同じ患者さんでも,その時々で便の状態がかわりますので,下剤は適宜調整が必要です。

    うんこ漢字ドリル 5年生バージョンです。

    「たかが便秘,されど便秘」です。

    最後に便秘の治療も大事ですが,実は大腸にがんや大きなポリープがあって出が悪いという場合,腸の動きが悪いときはメラノーシスといって腸の中が腹黒くなることがありますので,大腸の検査を受けていただくことも大事です。

    便にトラブルをお持ちの方はご相談にいらしてください。以上うんこにまつわるエトセトラでした。

     

     

     

     

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