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    令和のつぶやき 57

    2021年9月3日
    By sakaemachi-staff
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    みなさんこんにちは!!

    札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニックです。

    最近はコロナワクチンに検査に,さらに講演会の準備などで右往左往しておりました。

    久しぶりに令和のつぶやきです。

    最近の医療ドラマはなかなか凝っていますね。東京MERやナイトドクターが現在は放送されておりもう少しで最終回を迎えようとしています。

    東京MERでは緊急時の処置や薬剤を鈴木亮平さんが即座に指示をだしています。だいたい行っていることは実際に救急でやっていることと薬剤も指示もなかなか的確です。実臨床ではあそこまで1分1秒を争うことはすくなく,病院で医療を行うため設備も整っており,もう少ししっかり吟味してから指示を出すことが多いですけでね。
    ナイトドクターは釧路で勤務していた時はほぼナイトドクター状態だったので,懐かしさ,つらかった思い出がよぎります。

    実際は外科系をみることはなかったので内科のナイトドクターといったところでしょうか?

    土曜は多いときは一晩に200名なんてこともあり気づいたら朝陽がのぼっているということも少なくありませんし,心肺停止で搬送されてくる患者さんやそのころは吐血,胆管炎,イレウスなど緊急処置で一日fullに振り回されていました。しかもナイトドクターと違うのはそのままお昼過ぎまでは診療,検査をおこなっていたし,当直の前日も朝から普通に診療だったので,今考えるとぞっとします。

    さて,今回書きたかったのは以前に最近は好酸球性疾患がふえている,そのうちデータも含めて掲載します,といっていましたが,気づけは早半年がたってしまいました。

    実際にその後から症例もふえており,アレルギー疾患の増加をさらに身をもって感じています。

    その中で「好酸球性食道炎」についてちょっと・・・。

    食道のアレルギー疾患で,最近はアレルギー物質の摂取によって症状が発症することがわかっておりますが,実際は原因の食材ふくめ原因を確定することは困難といわれています。

    症状は 食事のつかえ,違和感,のみこみにくさ,胸やけが多く,他に嘔気嘔吐,背部痛もみられます。
    実際には内視鏡を行わないと逆流性食道炎との区別が非常に難しいです。

    当院のデータ(25名)でもそうですが,発症はほぼ30-50歳に多く,当院は男女比が1:1ですが,一般的には男性に多い(3/4ぐらい)といわれております。

    内視鏡で特徴的な所見があり,最初のことはよくわかっていませんでしたが,最近では当院ではほぼ的中しています。

    この好酸球性食道炎は一時的なものと永続的なものとあり,治療を行わないと欧米では10-15年で約半数が狭窄のため食事がとれなくなるとのデータもあります。アジア人には狭窄は少ないとされていますが,最近は学会でも狭窄症例の報告があがってきているので,やはり無治療は危険が高いかもしれません。

    また逆流性食道炎からバレットに移行して発癌のリスクがあがることや潰瘍性大腸炎,クローン病といった炎症性腸疾患も発癌のリスクがあることは明らかになっており,好酸球性の炎症も将来的に発癌のリスクとなる可能性もまだ否定されておりません。

    以前内視鏡を行って問題なしから当院で好酸球性食道炎の診断となっている患者さんも少なくありません。

    胸やけにつかえを感じるようになったら一度内視鏡を行うことをお勧めします。狭窄になると結構大変です。

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