みなさんこんにちは!
札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニックです。
今回は久しぶりのQ and Aです。
最近はご高齢の方も受診されるようになり,よく体重が減ることについて質問をうけます。
大方他の病院で各種検査をうけられ,異常がないといわれていることが多いのですが,それでも体重が減少するからがんではないかと心配されての質問です。
しかしよくよくお話を伺うと,筋力がかなり減っている様子。実は筋肉はだんだん加齢とともに減少し,なんと80歳ごろには30%ぐらいの筋肉が失われるといわれています。
筋肉が減少すると当然,体重が減少し,強いては転倒や骨折,誤嚥性肺炎などが増加してきます。特にベンゾジアゼピンなどの睡眠導入剤を服用されている場合は特に夜間の転倒が増加していきます。
このような状態は高齢化社会になるにつれ増加しており,「サルコペニア」といわれます。
加えて身体の虚弱化,生活機能への障害,社会的な弱者などを総称して「フレイル」と呼ばれており,現在世界的に注目されています。
フレイルには診断基準が設けられており,(フレイル診断のためのJ-CHS基準)
- 体重減少
- 筋力低下
- 疲労感
- 歩行速度
- 身体活動
の5項目から診断行っていきます。上記のうち3項目以上あてはまると介護の必要性や転倒,死亡のリスクが上昇するといわれています。
当然,悪性腫瘍や心疾患,呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患 歌丸さんなど)が原因で体重減少をきたしている可能性もあるので,栄養状態を含めた検査は必要ですが,いずれも問題なければフレイルとして体力をつける(運動療法や栄養療法)ことが治療になってきます。
ご家族で体重減少でお悩みの方はいませんか?
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