最近のコメント

    診療予約

    院長の独り言107(CD)

    2017年11月13日
    By sakaemachi-staff
    Home  /  ALL  /  院長の独り言107(CD)

    みなさんおはようございます!!

     

    札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。

     

    早いもので11月も中旬です。みなさんはタイヤ交換されましたか?

    一度雪が降ったきりその後札幌ではみぞれがありましたが,積もることはまだないですね。

     

    寒くなってきましたが,今時期からノロをはじめとしたウイルス性の胃腸炎が流行りだします。

     

    概ね2-3日で改善しますが,繰り返す下痢,長引く下痢は注意です。

    ということで久しぶりになりますが,クローン病(CD)の続きです。

     

    若年者に多い難病であるお話をしてきましたが,今日はその治療について簡単に・・・。

     

    クローン病には消化管に炎症だけがあるタイプや狭くなって腸閉塞になってしまう狭窄タイプ,そして炎症が深くなって腸管に穴があいてしまう瘻孔タイプがあります。

     

    瘻孔は基本的に手術が必要です。

    狭窄は長さや程度,そして炎症の有無によってかわりますが,手術になる一番多い原因です。

    狭窄の長さが短ければ,内視鏡を用いて狭いところを広げることもあります(内視鏡的バルーン拡張術)。

     

    しかし,上記二つは入院を余儀なくされたり,食事が全くとれなくなったり,日常生活に大きな支障をきたします。

     

    残念ながら今のところ,クローン病の治療にはがんのようにとれば治るというものではなく,潰瘍性大腸炎と同様に良い状態(寛解)と悪い状態(再燃)を繰り返します。従って,いかに良い状態を維持するか,そしてもっていくかが重要になってきます。

     

    悪化させないためには,最近は早期に発見して治療をすることも推奨されており,見つかった場合は腸に負担をかけない食事(低残渣食)と5ASA製剤が基本になってきます。時に成分栄養剤(最初から腸に吸収される状態まで分解された食事)を用います。成分栄養剤の投与としては口から飲む方法と,細い管を自分で胃の中に通して,機械で時間をかけて注入する方法があります。この方法ができるようになっていると,少し状態が悪いというときに入院を回避して,通院しながら治療が可能になることもあり,仕事をされている方には大きなメリットです。

     

    そして少し状態が悪くなってきたら,免疫調整剤(ステロイドやアザチオプリンなど)や生物学的製剤(抗TNFα抗体)を用いて炎症の進行を止めます。また炎症や狭窄があまり強くない状態では血球成分吸着療法といって白血球や顆粒球を除去し,炎症の大本を取り除く治療が有効なこともあります。

     

    いずれにせよ,よい状態であれば運動制限もなく,普通に日常生活を送ることが可能なので,症状がなくとも悪化させないように内服や食事に気を付けることが重要になってきます。

     

    クローン病治療指針抜粋です。

     

    栄町消化器・内視鏡内科クリニックでは重症の患者さんの治療は入院施設がないため困難ですが,診断から寛解維持のための治療は可能ですので,気になる方がいらっしゃれば相談でも構いませんのご来院ください。

     

     

     

     

     

    Categories:
      ALL, ブログ, 消化器 下部
    this post was shared 0 times
     000