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    院長の独り言63(痛み止め1)

    2017年8月17日
    By sakaemachi-staff
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    皆さまおはようございます!!

    札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。

     

    早いですね。お盆も終わり8月も中旬です。

     

    昨日は夏らしいいい天気でした。

     

    さて,今回は痛み止めのお話。

     

    おそらく過去に痛み止めを服用したことはないという人の方が少ないのでは?

     

    この痛み止めにも種類があることをご存知ですか?

     

    ちょっと難しい話になりますが,痛み止めは痛みのもとであるアラキドン酸カスケードにおいてCOXを阻害することで,痛みが抑えられるようになります。COXには1から3まであり,1を阻害すると胃や腸管の粘膜を防ぐ力も落としてしまいます。

     

    強い痛み止め,例えばコマーシャルでもやっているロキソニンSなんかもこのCOX1を阻害するため,消化管の粘膜を壊してしまう可能性があります。実際のデータでは痛み止めを3か月以上服用していると実に60%もの患者さんに胃や小腸に潰瘍またはびらん(潰瘍の赤ちゃんと思ってください)ができていました。もちろんすべてが出血するわけではありませんが,原因不明の貧血の原因になっていることも少なくありません。

     

    最近ではCOX2だけを選んで抑えてくれる薬(セレコキシブなどコキシブ系)やCOX3を抑えるアセトアミノフェンがよく用いられます。

    アセトアミノフェンの潰瘍ができるという報告はあまりみませんが,コキシブ系でも胃や小腸に50-60%ぐらいびらんができるようです。ただし,貧血や出血をきたす確率はCOX1を抑える時より少なく,健常人と同等であるという報告もみられます。

     

    最後に落とし穴が湿布!!!

    皮膚のどこにはっても吸収され,血液のなかにこの痛み止めが流れることがわかっています(ロキソニンの1/16程度)。つまり湿布を一度に4枚貼ると1日3回の飲み薬を1度服用したことと同程度になってしまうのです。

     

    そしてこのCOX1阻害は量にも依存しますが,量が少なくても潰瘍形成することがわかっています。

    これは心筋梗塞や脳梗塞で用いられる低用量アスピリン(バイアスピリンやバファリン)でも潰瘍や出血率がかわらないことでも証明されています。

    ではどうしたらよいのか?

     

    つづく

     

     

    左が先日東京駅の写真。右は東京駅がライトアップされた院長力作のパズル。

    写真をとってきて思った。方向が逆だった!!!

     

     

     

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