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    院長の独り言55

    2017年8月1日
    By sakaemachi-staff
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    おはようございます!!

    札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。

     

    早いですね。今日から8月ですよ。

    ブログデビューして院長の独り言も55まできてしまいました。

    55というと松井秀喜選手をおもいだします。

     

    昨日は久しぶりの雨でしたね。

    むしむしはしますが,先日の東京よりははるかにいいかも。

     

    さて,家の中を整理していたら,懐かしいものがでてきた。

     

    2007年なのでもう10年前の記事になる。

     

    釧路市医師会病院時代に釧路市新聞に内視鏡の記事を連載していました。合計6回にわたって・・・。

    第1回,第2回と早期胃がんに対する内視鏡治療,ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)について。

     

    今でこそ,多くの施設で行われるようになったが,10年前は違った。できる施設も,できる医師も限られていて,ナイフもITナイフという先端に絶縁体のついたナイフしかなかった時代だ。それでも胃がんの多い我が国において,それ以前は胃の2/3時に全部の胃がなくなっていただろう患者さんが,胃をすべて温存できる画期的な治療法だった。

     

     

    第3回は小腸内視鏡検査について。

    それ以前は暗黒の大陸といわれていた小腸であったが,ダブルバルーン法が開発されたことによって小腸の検査が内視鏡で可能になった。

     

    第4回は経鼻内視鏡検査。今でこそインターネットで検索をすると,つらくない経鼻内視鏡を導入していますという病院,クリニックが多数認められるが,その当時は経口内視鏡と比べると,画質が格段におちて,胃液の吸引にも時間がかかり,操作性も悪かったため,あまり普及はしていなかった。

    また,イレウス,腸閉塞で入院した場合,鼻から腸の中を減圧するが,2000年代前半は透視室で,1時間も2時間もかかって,チューブを小腸まで誘導していた。

    しかし,経鼻内視鏡の導入によって短時間により奥までイレウス管を挿入できるようになり,現在は多くの施設で導入され,専用のイレウス管も発売されている。

     

    私も,初期にその有用性を検討し,指導医の元,Gastrointestinal Endoscopyという英文誌に掲載することができ,その発売号の表紙もかざることができた。

     

    第5回は新しい腸管洗浄剤 ビジクリアについて。

    今でこそ,いろいろな腸管洗浄剤が発売され,のむ量や味もはるかに改善されてきてはいるが,その当時は非常にのみにくい(私はコップ1杯ものめなかった・・・)ものを2から4Lも飲んで大腸検査だったので,非常に倦厭されていた。しかし,錠剤で腸管洗浄を行うことができ,水やお茶,ストレート紅茶でものむことが可能で,私の検討では最初のコップ2杯まではブラックコーヒーでも洗浄力に問題ない結果だった。

     

    そして最終回は,特殊光観察。

    これも現在は多くの施設で導入されているが,その当時は新しく内視鏡機械を導入したり,AFI(Autofluorescence imaging; 自家蛍光観察)では専用の内視鏡光源とスコープが必要であったため,普及するのに非常に時間がかかった。

    私はちょうど旭川医大にいたときに,研究に携わらせてもらい,AFIを用いることで大腸の病変の発見率があがり,さらに通常の内視鏡検査と比べて,大腸の病変が腫瘍なのか(治療すべき病変か),非腫瘍(治療の必要のない病変か)の診断に有用で,しかも初心者においてその有効性が高いことを指導医の元,Endoscopyに掲載することができた。

    今現在は栄町消化器・内視鏡内科クリニックでは入院施設がないため,ESDや小腸内視鏡検査を行うことはできません。ビジクリアは腎障害の患者さんや高齢者で使いにくい点があり,その後,新しい腸管洗浄剤が開発されたこともあって,モビプレップを主に使用しています。しかし,モビプレップも味の問題は完全に解決されているわけではないので,錠剤での検査がご希望の方は,おっしゃってください(取り寄せになるので少しお時間がかかりますが)。

    経鼻内視鏡は導入しており,特殊内視鏡検査ではAFIはありませんが,LCI(Linked color imaging)やBLI(Blue Laser imagin)を掲載しており,見逃されやすい炎症や腫瘍の差を強調して観察,さらには診断を行っております。

    もう連載が終了して10年が経ったんだな,と記事を読み返してつくづく時の流れの速さを実感していました。

     

    10年前は院長も若かった!!

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