最近のコメント

    診療予約

    Q34 おなかが張ります

    2019年3月30日
    By sakaemachi-staff
    Home  /  ALL  /  Q34 おなかが張ります

    みなさんおはようございます。札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニックです。

     

    早いもので2019年も3カ月が終了しようとしています。

     

    つまり平成も残すところあと少し。

     

    皆さんにとって平成はどんな年月でしたか?

     

    さて消化器症状で意外と多いにもかかわらず,医師にもあまり注目されていないかもしれない症状に関する疑問。

     

    Q「おなかが張るんですけど」というもの

     

    これも胃がはる,おなかがはる,などいろいろで,医学的には腹部膨満感といわれます。

     

    腹部膨満感を訴える患者さんは,他の症状を持っていることが多く,例えば痛みであったり,嘔気,便秘,下痢,胸やけなど様々です。

     

    実はそれらの症状は腹部膨満感と関連があったりなかったりします。

     

     

    また腹部膨満感には放置しておくと危険な病気が潜んでいることもあります。

     

    まず膨満する原因ですが,ガスがたまっている,水がたまっている,内臓脂肪,何もたまっていないに大別され,それぞれが組み合わさっている場合もあります。

     

    それぞれ何がたまっているかで検査や治療法は全くかわってきます。

     

    例えばガスがたまるですが,これも胃のガスがたまっている場合,呑気症といって空気をたくさん飲み込んでしまう場合が多く,特に早食いの人に多いです。

     

    注意すべきは胃がん,十二指腸がん,すい臓がんといった悪性腫瘍,十二指腸潰瘍,胆石,そしてやせ型に多いナッツクラッカー症候群(十二指腸や血管が動脈に挟まれて機械的に狭くなる)など胃の出口が狭くなってしまうために胃の排泄が悪く張ってしまう場合もあり,更なる検査や治療が必要なこともあります。

     

    ほかには胃の動きが悪くたまってしまうことや急性胃拡張といって胃が痙攣して膨張してしまう場合もあります。

     

    他の臓器では小腸が拡張している場合,大腸の病気が関連していることも少なくありません。例えば大腸がんや憩室炎,クローン病などから小腸に狭窄を引き起こしてしまう場合などがあります。

    そして胃腸炎や抗生物質,強い胃薬を服用することで腸内環境が悪くなりガスを発生する腸内細菌が増殖している場合,腸閉そくも原因となります。

     

    大腸のガスが多い場合はその多くが腸内細菌のバランスがくずれメタンガスを発生する悪玉菌が増殖しているためですが,見逃してはならないのが大腸がんや憩室などで腸管が機械的に狭くなっているため排泄が悪くガスがたまっている場合です。

     

    次に水が溜まっているときの腹部膨満感ですが,腸の中の水なのか腸の外の水(腹水)なのかで大きく変わってきます。

    腸の中にたまっている場合は多くが胃腸炎などで腸に炎症がおきて水分を吸収できない場合ですが,手術後や腹膜炎の後に癒着してしまう腸閉そく,ヘルニア,クローン病や腸結核,薬剤性潰瘍などの炎症,そして大腸がんや悪性リンパ腫といった悪性腫瘍の可能性も考えなければなりません。

    腸の外に水が溜まっている場合は,肝硬変や心不全など全身の循環がわるかったり腸から肝臓への血流が悪いことがあります。さらに婦人科のがん,胃がん,肺がんなどから腹膜に転移をして腹水がたまったり,アニサキスのアレルギーをはじめ好酸球性胃腸炎で腹水がたまる場合もあり,要注意です。腹水がたまっている場合は体重が急激に増加するので,こまめに体重計に乗ってみるのも早期診断の補助となります。

     

    そして最近多いのが内臓脂肪。運動不足や高カロリーな食事摂取により内臓脂肪が増加し,様々な臓器の障害となる場合もあります。メタボリック症候群の方は要注意です。

     

    そしていろいろな検査をして何もたまっておらず,診察をしても腹部のふくらみがないのにも関わらず,おなかが張るという場合は,胃酸過多である可能性があり,機能性ディスペプシアの一つの症状となっています。

    他には過敏性腸症候群の可能性があり,特徴として痛みを伴っており排便,排ガス後に症状が軽減します。

    また,お薬が原因でおなかが張る場合も少なくありません。糖尿病の薬の一つや,過活動膀胱の内服,向精神薬,眠剤で腸の動きが鈍くなりおなかが張ってしまう場合もあるので,腹部膨満を感じたら内服薬を見直してみることも重要です。

    お腹がはるでお困りの方,重要な病気が見逃されている場合もあります。気になる方はご相談にいらしてください。

     

    腸を元気に!! 腸活が流行っています。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    Categories:
      ALL, ブログ, 消化器 上部, 消化器 下部
    this post was shared 0 times
     000