こんばんは!!
札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。
いやぁ,今日の札幌は寒かったですね。加えてこの雪,雪,雪。
北海道でも氷点下31度を下回ったところもあるようですし,旭川で氷点下41度を記録したのも今頃です。
さて,今日は私の専門でもある大腸ポリープについて。
みなさんは大腸ポリープに対してどのようなイメージがありますか?
またもし,皆さんご自身に大腸ポリープがあったらどうしますか?
おそらく多くの方は「とってほしい」といわれるでしょうし,当院でもほとんどの方がポリープ切除を希望されます。
では,なぜ切除するのでしょうか?
大腸ポリープそのもので命を落とすことはありません。
しかし,無理に特に悪条件でポリープを切除した場合,出血や穿孔(腸に穴が開く)ことにもなりかねません。
それでも切除しますか?
という疑問が投げかけられます。
おそらく正確な答えはないかもしれません。
大腸ポリープを切除する理由は,大腸がんの原因の多くが,このポリープだからです。
では,大腸ポリープが本当に癌になるのか?
が,実際には多くのポリープはそのまま,時に消失してしまうこともわかっています。
しかもポリープががんになったり大きくなるには時間がかかります。
1年前のポリープがそのままということも珍しくありませんし,だから,医師から来年検査のときにとりましょうかと提案されるわけです。
ほとんどのポリープががんにはならないことが多いのですが,やはりその一部でがんになってしまうポリープがあり,大腸がんの一部にポリープの成分が入っているということも間違いはないでしょう。
↑これはポリープががん化したものです。
そして,欧米では実際に小さいポリープも含めすべて切除していったら,大腸がんによる死亡を50%減らすことができたという大きなデータもあります。
それを踏まえて,内視鏡に携わる医師に質問
「大腸内視鏡検査をして,目の前にあるポリープが絶対にがんになりませんか?」
と聞くとおそらくNoでしょう。
がんになってからでは切除も大変で,それこそどこかに転移をしていないとも限らないので,ポリープを切除するのです。
日本ではまだまだここのガイドラインが進んでおらず,2014年の新しいガイドラインでさえ,5mm以下のポリープは経過をみることを推奨しています。
それは出血の危険があるからにほかならないのですが・・・。様々なデータでポリープ切除による出血は1-2%です。
出血しやすい特徴として,ポリープ側からは特に大きなポリープ,そして有茎(茎があるタイプ),亜有茎(くびれのあるタイプ)では出血しやすい。
患者側からは,糖尿病がある,抗血栓薬を服用している,腎機能や肝機能がかなり衰えていると出血しやすいことがわかっているので,注意が必要です。
そして切除方法としては,電気を流す通電による切除の方が,通電しないコールドポリペクトミーより出血が多いこともわかっていますので,年齢や他の合併症とも相談して切除するか検討するというのが正解でしょうか?
いずれにせよお元気な方は切除しておいた方が,将来大腸がんによる死亡は減少できそうなので,お勧めはします。
ポリープ切除は上記のようなつまむタイプと
スネアと呼ばれる輪っかで切除するタイプがあります。
当院では大腸がん予防のため外来でのポリープ切除を行っております。
ご希望の方,心配な方は一度ご来院ください。
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