みなさんおはようございます!!
札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。
今日の札幌は快晴ですね。北海道は比較的天候に恵まれる一日になるようですが,本州では打って変わって大雪。
出生地である新潟県でも久しぶりの大雪で腰のあたりまで,雪が一気に積もり,学校もお休みのようです。
JRも12時間以上立ち往生のようです。乗客の方も乗務員,除雪に追われる方も見守るしかありません。
それにしても本州では除雪車は走らないんでしょうか?または走ってもそれ以上に雪が積もったのかな?
さて,天候がいいと乾燥します。前回は今増えているインフルエンザの対策をつぶやいきましたが,今回はインフルエンザと同じ時期に流行するノロウイルスについて。
みなさん,すでに名前は知っていると思いますが,1年の中でも12-2月に最も発症します。
症状としてはなんら普通の胃腸炎とかわらないのですが,嘔気,嘔吐が目立ちます。
また他の胃腸炎と比べておなかが麻痺することもあり,長時間ウイルスが体内にいて繁殖するため症状が長引いたり,下痢が止まらなかったりします。一般的にはウイルスがおおむね出てしまうと2-3日で下痢,嘔吐は消失します。
また発熱はないかあっても37度台に収まることが多いです。
原因は?・・・
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実は7割方は特定されません。食材としては二枚貝に付着しているので,かきやホタテなど貝類を食べた後に2-3日して症状が出現すると可能性としてはあります。
それ以外はノロウイルスが付着している管理者が調理を行い,二次感染するケースが多いです。
最近では昨年学校給食のパンに付着していて集団食中毒になったニュースがありました。
このノロウイルスは当然目視はできませんが,わずか数100個の感染が成立してしまい,症状を引き起こすことがあるので注意です。
対策は・・・
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よく病院や商業施設で手指消毒剤がおいてありますよね。実はノロウイルスには効果がありません。
もちろんアルコールなどの手指消毒剤でも死滅しません。
逆性石鹸もおいてありますが,これでも死滅しません。
唯一塩素系消毒で死滅するのですが,これで手を消毒していたら手が荒れてしまって敵いません。
なかなか死滅しない,だから繁殖して感染してしまう患者さんが多いのですが・・・。
後はこまめに手指を水道水や石鹸で洗うしかありません。特に高齢者や小児では大量の下痢から脱水症状を引き起こすこともあるので,なるべくかからないように食事の前には手洗いを徹底しましょう。
では,なってしまったら?
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残念ながらインフルエンザのように特効薬はありません。
ウイルスを体外に排出させるしかないのです。
吐き気がないときにこまめに水分を摂取します。
嘔気で十分な水分が摂取できないときは点滴が必要になります。
処方はいろいろ意見がわかれるところですが,整腸剤と嘔気止めを中心にします。
嘔気止めは腸管を動かす(下痢が増える)のですが,ウイルスを体外に排泄される狙いもあります。
胃も痛い場合は胃薬を用いることもあります。
下痢止め,痛み止め(鎮痙剤)は基本的に処方しません。どちらもおなかの動きを止めて,ウイルスを体内に残してしまうからです。
従ってウイルス性胃腸炎の時に,市販の下痢止めを服用することもお勧めしません。
昨年4月から開業していますが,これにより悪化した患者さんがすでに数名来院されています。
どうしても下痢が長引いても重要な出来事がある場合のみ処方します。
突然の下痢でお困りの方はご相談にいらしてください。
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