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    院長の独り言91(UC)

    2017年10月12日
    By sakaemachi-staff
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    みなさんおはようございます!!

    札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。

     

    寒いですね。北海道の秋は短い。今日は上川地方で雪の予報も入ってきてますね。

     

    とうとう10月も中旬になりましたね。寒くなってくると心筋梗塞や狭心症をはじめとした心臓脳血管疾患が増えてきますが,消化器内科領域では悪化しやすい病気があります。

     

    潰瘍性大腸炎(UC; Ulcerative Colitis)です。

     

    ひと昔前はあまり耳にしない疾患だったかもしれませんが,10万人を超えています。

     

    潰瘍性大腸炎はクローン病とならんで炎症性腸疾患の代表的な病気です。

     

    胃がんの原因のほとんどはピロリ菌による慢性炎症が解明されてきましたが,未だに原因は究明されておりません。

     

    遺伝子の異常や免疫の異常,感染などの説がありますが,全貌はわかっていません。

     

    しかし,大腸に何らかの原因(環境因子もいわれています),によって,広い範囲に炎症を起こし,これがよくなったり悪くなったりします(再燃と寛解)。

     

    発症は10~20代の若年層と50代と二峰性に発症のピークがあります。

     

    症状は下痢,腹痛,多くの症例で血便を伴います。基本的に慢性の炎症なので長期間続く場合は疑います。

    急性の発症もありますが,下痢してから血便が出た場合は感染性腸炎(キャンピロバクター腸炎やサルモネラ腸炎,病原性大腸菌,腸管スピロヘータなど)の可能性もあります。

     

    潰瘍性大腸炎の特徴としては直腸から連続して,粘膜がただれ,一部の症例は虫垂開口部からも炎症がみられます。

     

    左は健常な大腸粘膜のAFI(自家蛍光内視鏡)画像です。右は潰瘍性大腸炎の炎症の強いところのAFI画像です。

    これだけ違いがでます。この炎症のある部分をみると

    大腸の粘膜にたくさん潰瘍がみられます。

    これだけで確定診断とは言えませんが,潰瘍性大腸炎かどうかには大腸内視鏡検査が重要な役割を果たします。

     

    長く続く下痢,出血が混ざる方は一度検査をお勧めします。

    つづく。

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