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    院長の独り言53

    2017年7月28日
    By sakaemachi-staff
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    こんにちは!! 札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。

     

    今日の札幌は久しぶりに雨ですね。今週では初めてお花の水やりをお休みしました。

     

    小学校は夏休みに入りましたが,皆さんはいかがお過ごしですか?

    もう少しで7月も終わろうかとしています。

     

    北海道の短い夏を満喫してください。

     

    さて,今日は前回に引き続いて胆のう結石のお話。

     

    前回は胆石の成分や簡単な治療についてぶつぶつとしていました。

    では胆石はなぜできるのでしょう?

    胆のうは胆汁を蓄えておくだけと話しましたが,肝臓でつくられる胆汁は1日およそ1Lぐらいともいわれています。

     

    これが胆のうで蓄えられて濃縮されるんですが,コレステロールが多かったり,蓄えられている時間が長いと石になりやすいのです。

    つまりコレステロールの高い食事をとられる方をはじめ,高コレステロールの場合や,絶食や1日2食など濃縮されている時間が長い人にもできやすいのです。

    実際にクローン病という腸の病気で食事をとれない患者さんに,決してコレステロールが高いわけではないのですが,胆石を持っている方は意外と多いのです。

     

    したがって胆石ができないようにするためにはコレステロールを上げないことも重要ですが,しっかり3食食事をとって,濃縮された胆汁を胆のうから排泄してあげることも重要です。

     

    次に治療ですが,泥や小さい結石の場合は胆汁酸(ウルソデオキシコール酸)の内服によって結石が溶解,消失することもあります。

     

    しかし,ある程度の大きさや硬くなってしまうと溶解しきれないので,悪さをしている場合はおおむね手術が推奨されます。

    手術は結石をとる手術ではなく,胆のう自体を取り除く手術になります。

    胆のうは胆汁をためておくだけなので,なくなっても生理的には問題はありません。だいたいは胆管という通り道が太くなって胆のうのかわりとなっていることが多いです。

    まれに,胆汁酸が腸にながれ続けるために,下痢をする方もいます。

     

    しかし,胆石が悪さをした場合は,前回もつぶやきましたが,時に命に関わることもあるため,手術が勧められます。手術自体は癒着や炎症が強くない場合は,腹腔鏡といって,おなかにいくつか小さい穴をあけて胆のうの切除できる病院が増えています。

    注意点として胆のうの出口(胆のう管といいます)は非常に個人差が多く,走行もばらばらなので,手術の前には,しっかり検査をすることをお勧めします。

    ほかは持病によっても手術に関しての危険もあるので,担当医との相談が必要です。

     

    他には結石が大きい場合に体外衝撃波で石を砕く方法もありますが,できる施設が限られているのと時間がかかります。

    もし,胆石が通り道(総胆管)に落下してしまった場合は,ERCPといって胃カメラのように口から内視鏡をいれて,十二指腸から結石を除去する方法と,肝臓から管を通して除去する方法があります。

    胆石のみで症状がない場合は,経過観察でもよいですが,総胆管に結石がある場合は,出口にはまると急性膵炎を引き起こしたり,十二指腸から細菌が入りやすく,胆管炎になってしまうことが少なくないので,症状がなくても治療することが勧められます。

     

    また胆石を持っている方は報告によっては1%ぐらい胆のうがんを持っていることもあるので定期的な検査をお勧めします。

     

    胆石があるかないか調べてみたい方は,腹部超音波検査が有用ですので,ご相談にいらしてください。

     

    腹部超音波(エコー)検査

     

    また食事をとってしまうと,胆汁が流れてしまい,胆のうが縮んでしまうため絶食での検査をお勧めします。

     

     

     

     

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