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    院長の独り言40(開院までの道のり)

    2017年7月3日
    By sakaemachi-staff
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    おはようございます!!

    札幌市東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の佐藤 龍です。

     

    まず,師長に乗っ取られました。

     

    とうとう7月に突入しましたね。この週末はちょっと小雨はあったものの,あまり大崩れしない天気で助かりました。

    が,土曜日の夜に大きな地震がありましたね。札幌でも時間は短かったですが,大揺れしました。

    あれ?皆さん地震速報ってなりました?今回は予知されなかったのかな?

    今日は40回記念というわけではありませんが,非常に長くなったので,ご興味のある方のみお付き合いください。

     

    さて,院長は社労士さんから,7つほどの資料の提出の要求があり週末から探していましたが,どうしても一つだけみつからない。今年の2月に手に入れたものですが,栄町消化器・内視鏡内科クリニック内を探してもみつからず・・・。自宅の開院までの資料を全部ひっくり返してみてもみつからず・・・。

    と,栄町消化器・内視鏡内科クリニックが開院して間もなく3カ月が経過しますが,このクリニックができるまで,本当にいろいろなことと時間がかかりました。そんな思い出の資料がでてきて,懐かしく見入ってしまった。そんなわけで,今回は開院までを振り返ってみました。

     

    これから開業される先生もいらっしゃるかと思います。

    自分も全く初めて(当然ですよね)なので,右も左もわからず,結構簡単に考えていました(大変だよという話だけは聞いていましたが,なんとかなるなる主義なもんで)。ところが話に違わず意外と大変。

    これから開業を考えている方々に少しでもお役にたてればと今日は栄町消化器・内視鏡内科クリニックが開院するまでを忘れる前につぶやいてみようかと思います。

     

    まず,開業にはいくつかタイプがありますが,

    1.栄町消化器・内視鏡内科クリニックのように,土地から購入し,建物も一からつくる

    2.テナントをレンタル(メディカルモールを含む)し,内装をリフォームする

    3.もともとあるクリニックを継承する

    自分で最初から探して,動く方もいらっしゃいますが,前任地が当直や出張,夜診,待機など使える時間が限られていたので,私は医療コンサルタントの方を知人に紹介していただきました。それまでネットでいろいろ医療コンサルタントを探してみたが,なかなかここというところが見つからず。

    最初に面談をさせてもらったのが2015年の5-6月だったと思います(もう記憶があやふやって突っ込まれそう)。

     

    医療コンサルトの中には開業場所や機器を選定し,決定するところもあるようですが,最初の打ち合わせでは,まず私のやりたいこと,コンセプト,ターゲット,場所からの方向性を話し合いました。私は琴似ロイヤル病院(現イムス札幌消化器中央総合病院),名寄市立病院の消化器内科の立ち上げに携わり,一から自分の求める体制,システムを作りたかったので,3はまずなし。1.>>>2.の線でそれぞれのメリット,デメリットを伺いながら地域を2か所に限定して探していく方向で,話し合いは終了しました。その後,本当に担当の方が毎週一生懸命場所を探してくださり,いくつかの候補をもって場所の選定の話し合いができたのがその4か月後でした。

    4か所ほど候補をいただき,2つは1.の空き地からつくる,2つがテナントでした。

    その中で今の場所があるわけですが,4つを値段,場所,広さから見比べたときに,私が,間違いなく今の場所にするだろうと,担当の方が,話し合いの前にあらかじめ場所を押さえていてくださいました。

    (後から聞いた話では,押さえてもらった翌日に,そこを購入しますと来られた方がいたようです。話し合いから,私なら,多分ここに決めるだろうと,仮押さえをしてくださった担当の方には本当に感謝です。)

     

    その土地は一条工務店さんの土地であったわけですが,ご存知の方も多いかと思いますが,一条工務店さんは,決まった規格,物品から住宅をたてていくので,特殊な建物はあまりありません。ここも担当の方々が,上層にかけあってもらい,Go singが出る前から,設計がスタートしました。

    第一回の設計図がこちら 2015年11月でした。

    私の意見も含め書き込みがいっぱいあります。

    実は最初の建物の構想も三角屋根でした。

     

    イメージはこんな感じ・・・。

    実際の住宅も多数見学にいきました。西区から,遠方では江別,さらには岩見沢まで足を運んで・・・。

    ここら辺の努力は惜しまなかったですね。色もイメージでもらったものと実物では相違がでてくるので良かったと思います。

    最初は玄関は正面一つと,テナント部分の二か所のみ。この方が建物内を広く使えます。

     

    しかし,ここでクリニックの運用を考えると,早朝内視鏡をやろうと決めていたので,早出のスタッフが必要で,スタッフ全員の出勤時間に時間差ができます。患者さんがいるところを出勤してくるのは嫌だろうと,職員玄関をつくることに。

    外観はこのようにかわりました。

     

    さらに院長の導線(動く道)を考えると階段は一つでは足りず,狭くなるけど二つにしようと。

    一回には診察室,処置室とX線室,受付が必要で,テナント部分も必要。ここに階段二つとエレベーターをつけて待合室も確保となるとかなりきつい。

     

    途中の設計図と展開図。二階には内視鏡室と回復室,スタッフルームと院長室,そして予備室を設定。さらに大腸検査をするためトイレは多く必要,と患者さん用トイレ2つと職員トイレが2つの計4つ。階段を二つにしたところで使えるスペースが減少し,内視鏡室も内視鏡内科クリニックなのでもう少し大きくしたい。

    という要望から会合を重ねるごとに院長室がどんどん狭くなっていきました。。。

     

    でも当院の自慢,といっても患者さんには目につくことがないのですが,院長室になんとシャワー室があります。

    院長が大腸検査を一生懸命すると結構汗をかくのと,汚れてしまうことがあるので,すでに何回か使用させてもらっています。

     

    もう一つ難しいのが融資。銀行から借りることが多いのですが,特に栄町消化器・内視鏡内科クリニックは建物からの設計なので,どうしても高額になってしまう。昨今は病院も廃業してしまうことも少なくなく,銀行もいろいろ調べて投資をするか決めていきます。

    融資額を決めるために,事業計画書と返済の計画を立てるわけですが,この時点でまだ建物の設計も決まっておらず,導入する機器も決まっていないので,いくらお金がかかるか,特に私には皆目見当もつかない。

    概ねいくらぐらいになるのか,建物も物資も決まっていないうちから,想定額を決めて,融資金額を決定する。そこから返済計画を立てていきます。事業計画書をもって銀行の方と面談すると,本当に10ページぐらいある計画書を,隅から隅まで確認し,細かく質問されます。

    3カ月から4カ月かかってやっと融資が受けられることが決定しました。

     

    さて,話はもどって,設計ですが,一階部分は受付の場所も二転三転して,今の場所になったわけですが,階段を二つつけたことで,一回目の設計図からかなり変わっていきました。正面玄関の位置から処置室の位置もがらりと変わりました。

     

    クリニックや病院の内装を担っている方々にも参加していただき,あーでもないこーでもない,あーしたい,こーしたいと繰り返し繰り返し,話し合いをしました。

    それと平行して使用する機器を選定して,配置を決めていきます。スペースが限られるため,栄町消化器・内視鏡内科クリニックでは,クリニックに必要な物品からまた,部屋の広さ,間取りの調整です。

     

    使用する機器を決定するのも一苦労。値段と運用を考えながら必要な物品を決めていきます。

    健診はするのか?点滴のスペースは?,超音波検査はどこでするのか?採血など検査機器はどのくらい必要か,など。

    一般にクリニックでは最初は血液検査は外注といって,検査センターに提出し,検査してもらうところも少なくないのですが,今まで釧路市医師会病院や札幌東徳洲会病院で多々,救急医療にも携わってきました。「大きな病院でできることをクリニックで」が私の開業する上でのコンセプトであるため,なるべくクリニックで診断し,治療方針を決定したいという思いから,一般の末梢血採血から生化学検査,尿検査,糖尿病検査(HbA1c),そして尿素呼気検査はどうしても入れたいとお願いしました。

    加えて,電子カルテにするのか?紙ベースにするのか決定し,電子カルテはどこのシステムを導入するのか?何台,どこに配置するのかを決めていきます。

     

    最終的に内視鏡を含めどの機器を入れるのか選定し,その機械機械の大きさから部屋の大きさ,そしてテーブル,台の大きさを決めていきました。

     

    細かい調整まで,本当に夜遅くまでご協力いただいた方々のおかげで骨組みが完成するまでに半年ぐらいかかり,今の設計図が完成しました。

    この設計図から使用する機械の決定と配置から電気の配線を決めてもらいます。

    LED,調光が必要な場所,調光の程度(特に内視鏡室にはこだわりました),などからコンセントの位置,スイッチの位置が決まっていきます。

    最終的にはこんな感じになりました。

     

    あまりにも多すぎて,すべてを確認しきれず,設計士さんに一任してしまいました。

     

    そしてここからがまた,大仕事。壁紙から床のシート,色を決めていきます。

    注文住宅を造られた方は,よくご存じかと思いますが,これが結構大変。

     

    自分の自宅も半分は注文で,壁紙から天井,ロールカーテンの色までかなり時間を要した。

     

    今回はその経験を基に決めました。

     

    ここにソファーの色が追加されて,デザイナーの方の細かな修正が入り,現在のクリニックになっています。

    そして,クリニックを宣伝するための手段。いくらすばらしい機器をそろえても,知ってもらえないと受診のしようがありません。当院は大通りには面していないため,静かでよいのですが,わかりにくいとのご指摘もありました。

    このホームページも,当院がどのようなことをしているのか,どのような先生やスタッフなのか多くの方に知ってもらいたく,大きなものにしてもらいました。今では多くの患者さんがインターネットから当院を検索していただけるようになりました。

     

    他にも新道や栄町交差点の看板広告,電柱広告,地下鉄の電飾掲示板,雑誌などで広報活動です。

     

    そして,スタッフ。幸い院長はものすごくスタッフに恵まれ,日々突っ込まれながら,楽しく明るいアットホームな雰囲気のクリニックになったと自負しています。

     

    あとは備品。トイレットペーパーやティッシュに始まり,採血のキットや保管庫,内視鏡の物品,消毒,お掃除用具など,スタッフに手伝ってもらい,1か月かかりました。

    そういえば開院前1か月は何回ニトリやホーマックに足を運んだことか・・・。

    最後に内覧会の準備と運用の徹底,機械の取り扱いをみんなで学びシュミレーションを何回も行って,開院しました。

    他にもロゴ設定や名刺,チラシ作成,スタッフの労働条件設定(今は労働基準が厳しくなっています),賃金設定,院内マニュアル(医療安全や感染など)の作成,クリーニング,昼食の依頼などなど。

    開院準備のため1か月ほどお時間をいただきましたが,足りないぐらい充実した日々でした。

     

    開業までに本当にたくさんの方々にお力添えをいただき,開院に至ります。

    私は素晴らしい方々に囲まれ,本当に感謝の気持ちしかありません。

     

    これから開業を視野にいれている先生方,コメディカルの方など話を聞いてみたい方がいらっしゃれば,クリニックのアドレスにご連絡ください。info@sakaemachi-gec.com

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

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