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    院長の独り言151 検診異常肝機能

    2018年2月9日
    By sakaemachi-staff
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    みなさんこんばんは!!

     

    札幌市は東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。

     

    2月も中旬に差し掛かりました。東京ではやっと最低気温が氷点下から解放されたようです。

     

    今日の札幌も久しぶりに真冬日から脱出です。

     

    雪が溶けだすと路面がつるつるになるので,歩行,車の運転には特に注意してくださいね。

     

    さて,前回まで大腸がん検診についてつぶやいて参りました。

     

    他にも検診で異常を指摘された方で多いのは,肝機能ではないでしょうか?

     

    そんな中でもトランスアミナーゼ異常はよく目にします。

     

    ASTやALTがそれにあたり,以前はGOT,GPTとも記載されていました。

     

    主にASTは肝臓の細胞の集まりの中心から逸脱(もれてくる)酵素,ALTは細胞の集まりの辺縁から逸脱してくる酵素です。そのほかにもASTは筋肉にも含まれているため,心筋梗塞や横紋筋融解といった筋肉が壊れる病気の時にも上昇してくることがあります。

     

    多くはAST<ALTの上昇であり,原因としては昨今では脂肪肝が多いと思います。しかし,脂肪肝はあくまで除外診断の一つになりますので,他に慢性の肝炎になる原因がないか,一度は検査をすることをお勧めします。

    例えばウイルス性肝炎や自己免疫性肝炎,そして実はスルーされてしまうことも少なくない甲状腺機能異常でもこの肝障害がでてきます。これらは症状がなくとも治療が必要なことがあったり,治療によって完治する場合もあります。

     

    またAST>ALTの場合は多くはアルコール性や筋障害があてはまります。そしてアルコール性であれば一緒にγ-GTPという酵素の上昇を伴うことが多く,禁酒によって数値は改善し,AST<ALTに戻ります。

     

    そして胆石や脂肪肝がないか,また肝腫瘍がないか,超音波検査(エコー)やCT検査が有用なこともあります。

    また心臓や肺に病気をお持ちの方は心不全でこの酵素が上昇してくることもあるので注意が必要です。

     

     

     

    肝機能障害を指摘された方,そのままになっていませんか?

     

    肝臓はよほどでないと自覚症状がでてきません。また出現した場合は手遅れなんてこともありますので,異常を指摘された,一度は詳しい検査をお勧めします。

     

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