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    院長の独り言115 内視鏡

    2017年11月29日
    By sakaemachi-staff
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    こんにちは!!

    地下鉄東豊線 栄町駅から徒歩3分のところにある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。

     

    昨日は日中気温が上がり雪が溶けました。夜はブラックアイスバーンです。

    歩行者も車を運転されている方も気をつけてください・・・・

    そして今日の札幌は今も雨がすごいですね。

     

    というよりこの状態での自転車ってやっぱり危なくないですか?規制みたいなものはないのでしょうか?

     

    さて,シリーズで内視鏡の思い出を含め回顧しています。

     

    前回は釧路市医師会で地方にいながら中央と同じ医療を提供できるよう努めていたところまで。

    釧路では最初2年間勤務し,その後旭川医大に戻りました。

     

    だいたい大学に戻るときは学位をとる先生が多く,私も最初は後輩と一緒に細胞培養やってました。

     

    臨床で限界を感じたときは基礎研究にもどって考え直す,ということでやってましたが,大学ではその後の私の医師人生の本幹を決めたといっても過言ではないものにであってしまいまい,基礎研究は断念してしまいました。

     

    そうです。NBI(Narrow Band Imaging;狭帯域内視鏡)をはじめとした特殊内視鏡と拡大内視鏡に出会ってしまったのです。

     

    現在でこそ普及してきていますが,当時は大学にしかなくそれも最初はプロトタイプ(前身)で,画像も暗いものでした。

    それでも拡大観察をすると腫瘍の表面や血管が面白いように描出され,病理との整合性に近づけるようやっきになりました。

    ↑ NBIで発見した咽頭の腫瘍

     

    ↑ NBIで観察した中咽頭がん

     

    ↑ NBI拡大なし腫瘍性ポリープは血管が正常より太くなるため茶色く描出される

     

    ↑ NBI拡大 腫瘍表面の構造や血管の走行,不均一がみえてくる

     

    またAFI(Autofluorescence imaging:自家蛍光内視鏡)ではポリープの発見が高いこと,腫瘍では異型度が増加するにしたがって,だんだん自家蛍光が減弱し,また炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎では炎症が強いと自家蛍光が減弱することをまとめて多数学会発表や論文を書きました。

    ↑ 炎症の強い潰瘍性大腸炎では全体がマゼンタ色に自家蛍光が減弱

     

    それ以外にもDBE(ダブルバルーン内視鏡)を用いて小腸腫瘍や悪性リンパ腫の診断,小腸出血の止血,クローン病の拡張を行い,今では当たり前のようになっている経鼻内視鏡を用いたイレウス管挿入の先駆けを造ることができました。

     

    大学では学位をとるものと思っていましたが,それ以上患者さん直接治す臨床の方があっていると感じて学位は断念しましたが,それ以上に得るものが多かったと思います。

     

    2年7カ月の大学勤務終了後は再び,渡先生について釧路市医師会病院に戻りました。

     

    つづく。

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