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    院長の独り言51

    2017年7月24日
    By sakaemachi-staff
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    おはようございます!! 札幌市東区にある栄町消化器・内視鏡内科クリニック 院長の独り言です。

     

    とうとう51回になってしまいました。先週はすみません,院長の趣味で終わってしまいました。

     

    今日はどうしようと思っていたのですが,先日とあるお店でお客さんが店員さんに話していた内容から・・・。

     

    「胃のポリープはとったけど診断書がでなかった。大腸はでるのにな?胃のポリープは悪性だったらどうするんだ。」

    「悪性ということはがんっていうことですよね。」

    「ほんとだよな」

     

    ちょっと離れていたので声だけ聞こえてきたが,自分も動けなかったので説明しに行きたいけど行けない。

    そのお客さんは先に帰られてしまった。

     

    実はここら辺は勘違いをされている方々が多いと思います。

     

    そもそも医療従事者の説明が足りないということもありますが・・・。

    結論から申しますともし,本当に胃のポリープを切除したのであればしっかり,保険も診断書も通ります。

    おそらく外来で一部身をつまんで組織の検査をしたことと勘違いをされているのかなと思います。

     

    大腸は大きさ,形状にもよりますが,外来で完全摘出されることも少なくありませんし,当院でも行っています。

     

    しかし,胃のポリープは大きさ,良性悪性如何をとわず,まず外来でポリープを切除するということはありません。

    必ず入院しての治療になります。しかも良性のポリープの方が出血しやすいので,外来でとることはありません。

    胃は直接食事の影響をうけるので,切除したその日に食事をとることはほとんどありません。従って,外来で終わった場合はまず,診断をつけるために一部身をつまんだだけに過ぎないと思います。

     

    しかも最近はしっかりした内視鏡で観察した場合は特に過形成性ポリープなのか,胃底腺ポリープなのかまず診断が可能なので,よほど悩んだ場合や,特徴的でない場合にのみ検査をします。

    以前もブログでつぶやきましたが,胃底腺ポリープががんになることはほとんどありませんし,ピロリ菌がいない人に多いので,除菌をしていない状態で胃底腺ポリープがあった場合は,胃がんになりにくいと思います。

    過形成性ポリープも最近はピロリが原因で除菌することによって,その多くは小さくなったりなくなったりするので,よほど出血の原因になっている,またはがんの可能性がある場合でないと切除はしません。そして,必ず入院での切除になります。

    この場合はしっかり胃ポリープ切除術といって手術扱いですので診断書,保険も問題ありません。

     

    さらにポリープががんという可能性は高くなく,ほとんどの胃がんは潰瘍のような形態ですので,潰瘍の方がみなさん心配してください。

    胃がんの場合は最近はESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)でしっかり治療されることが多く,こちらも手術扱いですので診断書も間違いなく大丈夫でしょう。

     

    大腸は大腸がんの多く(7割程度といわれています)が,ポリープ(腺腫性)からのがん化といわれていますので,一部身をつまむのではなく,摘出(内視鏡的ポリープ切除術)されます。

    結構,胃と大腸と混同されている方が多いので,ちょっとつぶやいてみました。

     

    お困りのことがあれば,ご相談にいらしてください。

    8月はお休みさせていただきますが,9月からは第一土曜日の13:00から,このような疑問についてもお答えしますのでお待ちしております。

     

    今月の一枚です。熊本県の通潤橋です。

     

     

     

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